この度、京都芸術大学修士課程芸術専攻に在籍する二名、小橋美花と田中里奈の二人展を開催いたします。工芸を専門分野とし、麦わらを用い制作する小橋と、日本画を専攻し線表現を追求し、制作する田中。工芸と日本画、立体と平面、という一見交わらない二つの礎を持ちながら制作を行ってきた二者。その二人が出会い、制作する中で生まれた逡巡や作品上での融合、また触れて離れる様な距離感を是非、作品と展示空間から感じ取っていただけたらと思います。

二者の作品での融合や、それを経てそれぞれの制作へ立ち戻っていく様、それは接触し離れる動き「on-out」と見ることができます。

また、二者の目指す制作は既存の「工芸」や「日本画」の「枠組みから抜け出す」という目的において、一致しています。そこから、二人の現状の制作意識は茶道や武道、芸道での教え「守破離 （英訳:in-on-out):師匠からの教えを守り、技術を身に着ける。やがて逸脱して自分の流派を形づくっていく」という過程で例えるならば、「守って来た教えを破り離れる」「破離 (英訳:on-out)」の段階と捉えることができます。

これを私達二人の制作での礎とし、展示タイトル「on-out」を掲げます。

守って来た教えを「破り、離れる」こと、制作者が二人交差して「触れてまた、離れる」こと。それはまだ未熟な二人が制作の最中、揺れることで生まれる過程や、魅力であると考えます。是非ご高覧下さい。

タナカ リナ

Tanaka Rina

線を表現の主役として用い、制作を行っています。

　動植物の写生から自然に引用された形や身体性を伴った線描から、気配や、曖昧でありながらも独自の実感を持った存在を表現することが出来ると考えています。

作家経歴

タナカ リナ

Tanaka Rina

2001年　静岡県生まれ

2020年　東北芸術工科大学芸術学部美術科日本画コース入学

2023年　「井戸と窓」芸工大日本画コース 小金沢ゼミ展2023　山形

2024年　東北芸術工科大学 卒業/修了研究・制作展

2024年　東北芸術工科大学芸術学部美術科日本画コース卒業

2024年　京都芸術大学大学院芸術専攻美術工芸領域入学

2024年　豊橋トリエンナーレ 星野眞吾賞展 入選

2024年　HOP展（京都芸術大学大学院修士1年成果展)

2025年　SPURT展 (京都芸術大学大学院修士2年成果展)

2025年　京都芸術大学 日本画コース修士2年生グループ展(アートギャラリー北野) 京都

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小橋 美花

Kobashi Mika

数ある日本の伝統工藝の中でも、植物由来の装飾でシルクの様な艶と輝きを持つことが特徴である、『麦わら細工』について、研究・制作をしています。

私たち人間の食生活の中心に位置する麦だが、素材そのものの美しさを知るものは少ない。そんな類を見ない美しい素材、『麦わら』に焦点を当て、制作しています。

作家経歴

小橋美花 kobashi mika

2001年　兵庫県養父市生まれ

2020年　京都芸術大学美術工芸学科基礎美術コース入学

2022年　グループ展 基礎美ってなに(同時代ギャラリー）京都

2024年　京都芸術大学美術工芸学科 卒業展

2024年　京都芸術大学美術工芸学科基礎美術コース卒業

2024年　京都芸術大学大学院芸術専攻美術工芸領域入学

2024年　HOP展（京都芸術大学大学院修士1年成果展)

2025年　あさご芸術の森美術館 朝展2025 入選

2025年　CAPS展2025 (大阪高島屋)

2025年　SPURT展 (京都芸術大学大学院修士2年)

2025年　THE STRAW小橋美花個展(同時代ギャラリー) 京都