展覧会情報
第11回 写真個展「人間交叉点」
蒼樹
場所: | ギャラリービス |
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会期: | 2024-10-01(火) ~ 2024-10-06(日) |
時間: | 12:00-19:00 最終日17:00まで |
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展覧会内容
私は、例えば、どなたかの作品展などで作家さんにお会いしますと、その方の写真を撮らせていただくことが再々あります。
入室した直後には、その方のプロフィール、経歴などは読みません。もし見たとしても年齢や出身地を知るだけにしています。話の接ぎ穂になるからです。
その場で作品を見せていただいたり色々お話をうかがったりしながら「この人を撮りたいなあ」と心が動くと、「撮らせていただけませんか」とお願いするのです。
それで、大概はその作家さんの過去の実績や、世間の評価も、斯界でのお立場も知らないで、ただ、ザックリと、私と同世代の人が、ある道に専心して、
ご自身も満足される良いモノを作ってこられ、良い人生を送ってこられたんだなあという感慨をいだいて、言いかえると「よくぞやってこられた、ご同輩!」という気持ちでシャッターを切っているのです。
考えてみると、結局、ここ数回取り組んできている私の「おじさんシリーズ」の写真は、高校時代に、これから「何者かになろう」としていた私たちに対して、
「よく頑張ってきたね、ご同輩!」という気持ちの表れなのだなあという気がするのです。
そうして、そこに幾ばくか、私がこうありたい、ありたかったという思いがこもっているのではないかとも思うのです。
さらにいえば、私なりにそう評価できる方にお声がけして「撮ってもいいよ」と言っていただいて、さらにはその方の魅力的な表情のお顔を撮れるとしたら、私の年のとり方もまんざらではないのかなと。
ある作家さんは、その人の展示を「終活」だと何度もおっしゃっていました。
思えば、私の「おじさんシリーズ」も同世代に対するエールであり尊敬であり、やはり私にとっての『終活』なのかなあ。
○今年7月の京都ファインダー倶楽部の写真展(「ファインド・アイズ京都 現代・文人光画展」には、外国から来られた若い魅力的な女性たち12人の写真で参加しました。それが今回の写真展の序章です。
で、今回取り上げている女性たちは、国籍は混交していて、「精神において自律する」女性を意識しています。年齢は少し上になります。
女性の写真も、私が女性に寄せる憧れや期待の表れなのかなと思っています。その(中高生以来の)期待の中に「自律する女性」というテーマがあるんですね。
「なぜ女性にだけ『精神において自律』を期待するのだ」という言葉が当然予想されますが、それはまた別に・・・。
○ 私の個展も11回を数えることができました。自分の写真を広く見ていただくという事で言えば、都合25回の機会がありました。被写体として2370人余りの方にご協力いただいてきました。
しかし、私のまわりには80歳の声を聞き、また90歳も目の前にし、なおますますお元気に活動されている方がたくさんおられます。
そうであれば、今、私も、ほんの中間点を過ぎただけだという事でしょうか。そうありたいと思う今日この頃です。
どうか忌憚のない感想を会場でお聞かせください。お待ちしています。
2024年9月 蒼樹