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2020.11.10 展覧会アーカイブ, ギャラリービス展示

則武千鶴 色鉛筆画展「雲ケ畑 花 四季 時間」

【雲ケ畑 花 四季 時間】
会期:2020年11月10日(火)〜11月15日(日)
時間:12:00〜19:00(最終日は17:00迄)
会場:ギャラリービス

 

 

色鉛筆画家・則武千鶴による個展を開催しています。
京都の雲ヶ畑という地域に多数群生している「ベニバナヤマシャクヤク」という花をテーマに描いた作品20点を発表します。ベニバナヤマシャクヤクの花びらの透き通るような質感や種子の生々しさ等が繊細な色遣いで表現されています。作品に近づくと、一本一本の描線や柔らかい色の重なりもみることができます。
雲ヶ畑という地域や作品のテーマについて、則武さんが詳しく記載してくださっていましたので、そのままご紹介させていただきます。

 

以下、会場挨拶文より—————–

雲ヶ畑は、京都市の中心部から鴨川をさかのぼること15キロにある山間集落・林業の里です。
鴨川の源流、はじまりの場所があります。ここには地質の特異さから、他の地域では絶滅してしまった種類の植物がひっそりと成育しています。
雲ヶ畑、足谷と呼ばれる地域には特に絶滅に瀕した植物が多くあり、その自然を保護するための「雲ヶ畑・足谷 人と自然の会」というボランティア団体があります。

「雲ヶ畑に行けば、そこにしか咲かない花を見られるよ」その言葉を友だちから聞いた時から、私は雲ヶ畑の大ファンになりました。
雲ヶ畑でしか見られない花、それが現在私が作品のテーマとして描き続けている「ベニバナヤマシャクヤク」です。この花は京都府の絶滅寸前種に指定されている植物です。

雲ヶ畑には他にもたくさんの種類の希少植物が自生しています。それらの保護や周知のための活動をしているのが「雲ヶ畑・足谷 人と自然の会(通称 足谷の会)」です。私もすぐに会員になり、いろいろな活動に参加しています。

一般の方への観察会の実施やシカ食害から保護するためのネット張り、下草刈り、観察道の整備、数の調査、等々、仕事は多岐に渡ります。
重労働になることも多いのですが、会員の皆さんは自然が好き、この雲ヶ畑の環境を大事にしていきたい思いひとつで活動されています。

雲ヶ畑では志明院というお寺との出会いもありました。ここは鴨川の最初の一滴が落ちてくるという岩盤のあるお寺です。そして、歌舞伎十八番「鳴神」の舞台となった場所です。

「鳴神」のお話しを聞いたとき、私の中で「ベニバナヤマシャクヤク」と突然ぴったりと合わさりました。
雲ヶ畑の自然と植物、季節の移り変わり、鳴神伝説。これらを作品・展示で表現したいと思いました。
雲ヶ畑は私に作品をつくり続ける原動力を与えてくれる場所です。

 

〈則武 千鶴 / Noritake Chizuru〉
1997年 京都市立芸術大学美術学部卒業
2014年 個展「星とお花と女の子」
2015年 第63回芦屋市展入選
個展「ばら色・花の色」ガーデンミュージアム比叡ギャラリーsoRa
個展「ばら色・花・雲」ガーデンミュージアム比叡ギャラリーsoRa
2019年 個展「ばら色・溶ける白」ギャラリー翔
他・グループ展等展示多数