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2019.10.01 同時代ギャラリー展示, 企画展

【笹岡由梨子 個展「太陽Ⅰ」】

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【笹岡由梨子 個展「太陽Ⅰ」】
会期:2019年10月1日(火)~10月13日(日)
時間:12:00~19:00(最終日は17:00まで)
※10月5日(土)は『ニュイブランシュKYOTO・2019』の開催に伴い22:00まで開廊します。
10月7日(月)は休廊。

 

美術作家・笹岡由梨子による個展を開催しております。
家族の癌闘病の経験をもとに制作したビデオやドローイング、ロシアにおける「蘇生」や「復活」という要素に着目したビデオ・インスタレーションなど新たに制作した作品を発表します。

別撮りした人形劇のような映像に、手足や顔などの実写映像をコラージュ的に合成した不気味かつユーモアのある映像と、笹岡さん自身が作曲する音楽とがあいまって、どこか中毒性をおびた独特な世界観が展開されています。

 

新作ビデオとともに、会場真ん中にソビエト連邦の初代指導者・レーニンが鎮座する異様な空間をぜひお楽しみください。

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笹 岡由梨子は、「絵画軸映像」という独自のアプローチで、映像の中にある絵画との接点を探るべく、絵画における「手の痕跡」「筆致」とも近似した「編集のノ イズ」を残す手法で映像作品を制作してきました。黒子が糸で操るような、ローテクな人形劇を撮影した映像に、手足や顔といった実写のパーツを合成するコ ラージュ的手法は、かつてのSFX (特撮)をも彷彿とさせます。そして、高性能なCG映像にはないノイズは、絵密な構成や物語とともに、私たちがどこかで見たような、けれど決して知らない 独特の世界観をリアルに感じさせます。
誰もが知っているパーツをつなぎ合わせて創り出された誰もが見たことのない世界で展開される物語は、すべ て縦密な構成・モチーフ設定に基づいており、未知に織り交ぜられた既視、予想のできない結末は、観る者に能動的な理解と思考を促します。そこには社会への クリティックな視点とユーモアを見出すことができ ます。

本展「太陽 Ⅰ」は、最愛の人のがんとの闘病・家族との生活をもとに、「太陽」にまつわる考察を行い、アニメーション・実写・ビデオコラージュを用いた新作ビデオ・インスタレーションを発表します。
今年滞在したポーランド・来年リサーチに向かうロシアなど、日本以外の文化圏の要素を取り込みつつ、蘇生・復活を儀式的に扱いながら、独自の手法による新しいビデオ表現の可能性を言及しています。
根源的である生命・家族というテーマが、笹岡によりルナティックに昇華され、観るものの想像力を強く駆り立てます。笹岡の目を通した「太陽」を、どうぞご高覧ください。

 

〈笹岡由梨子/SASAOKA Yuriko〉
-略歴 Education-
2012年 京都市立芸術大学美術学部油画専攻卒業
2014年 京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程油画専攻修了
2017年 京都市立芸術大学大学院美術研究科博士(後期)課程メディア・アート専攻 満期退学
現在、京都のシェア・スタジオ「Vostok」を拠点に活動

-主な展覧会 Selected Exhibition-
2019年
「うたう命 うごめく心」spiral garden(東京)
「CELEBRATION -Japanese-Polish Contemporary Art Exhibition- in Szczecin」TRAFO(Szczecin/Poland)
「ポーランド芸術祭2019 in Japan セレブレーション-日本ポーランド現代美術展-」京都芸術センター(京都)
「In the Flat World」Sky Garden of Hyundai Department Store(Seoul/Korea)「3331 Art Fair 2019」3331 Arts Chiyoda(東京)
「ARTIST’S FAIR KYOTO 2019」京都新聞本社ビル印刷工場(京都)
「虛寫邊界」關渡美術館(Taipei/Taiwan)
「Kyoto Art for Tomorrow 2019―京都府新鋭選抜展―」京都文化博物館(京都)

-主な賞歴等 Selected Awards-
2019年 Kyoto Art for Tomorrow 2019―京都府新鋭選抜展―:最優秀賞
2018年 平成30年度新進芸術家海外研修制度の短期派遣(後期)/台湾
京都市芸術新人賞
2017年 群馬青年ビエンナーレ 大賞
2016年 岡本太郎現代芸術賞 特別賞
2015年 群馬青年ビエンナーレ2015入選
第18回文化庁メディア芸術祭:アート部門審査委員会推薦作品選出
2014年 アートアワードトーキョー丸の内2014 審査員:建畠晢賞