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Body jockeying
| 場所: | コラージュプリュス |
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| 会期: | 2026-1-6(火) ~ 2026-1-11(日) |
| 時間: | 12:00-19:00 最終日17:00まで |
https://www.dohjidai.com/gallery/exhibition/c20260106/
山口京将は、全身が毛で覆われた立体作品シリーズ《人面生物》を創造する。制作の起源は幼少期に母親から揶揄された「ベランダで人間の顔をした鳥を見たよ」という一言である。それは山口の中で事実か嘘か判別がつかないまま記憶の奥底に沈殿し続ける言葉であり、決して到達することのできない記憶に接近する試みとして持続した制作活動を持つ。一つ一つのキャラクターに連続した物語性が付与される《人面生物》の生態は、かつてポップ・アートが獲得してきた図像の明快さやイメージの反復性と結びつきながら、鑑賞者がふれることのできる現実世界にフィクションの世界観を繁殖させていく。「真ん中に穴があいたドーナツのように、自分が空虚な中心の外側を回っているように感じる」と述べる山口の作品群は、観る者を楽しませる想像力を喚起しつつ、そこには実存に纏わる問いを内包している。
本展覧会「Body jockeying」は、時間の周期を乗りこなす、ある《人面生物》が変容していく動きに着目する。それは身体を丸めることで豆が閉じたような姿を当初はしており、徐々に身体を起こすように開くことで人面の顔が覗き、また時間とともに閉じていく生態を持つ。人面の表情はほとんど同一に見えるが、周期の度に閉じた内側で絶妙に変化しているという。会場では一連の動きを連続写真のように捉えた立体作品6点を空間に配置する。その様相は、連続する写真によって馬がギャロップ(襲歩)する際に、四肢が同時に地面から離れる瞬間があることを証明した「世界初の映画」と呼ばれるエドワード・マイブリッジ《馬の動き》を彷彿とさせる。この物語の終わりに意味や目的はない。変わらない周期の中で何かがくるのを待ちながら、地続きの騎手として顔を上げ走り続けることに意味がある。
文 谷口雄基
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山口京将
1999年千葉県生まれ。2022年京都芸術大学 美術工芸学科を卒業。2024年 京都芸術大学 大学院 修士課程 美術工芸領域を修了。 幼い頃に母からの「さっきまでベランダに人面の鳥がいたよ」という作り話を信じ込み、見ることが出来ない鳥を探し続けた思い出がある。 その思い出の余白を元に人面像を制作。追いつくことの出来ない記憶に接近を試みる。
<展示歴>
「顔の惑星より愛を込めて」(Gallery Maronie 京都2021)
「おいでまい祝祭2022」(香川 2022)
「モフモフ・コレクティブ展『www』」(YOD TOKYO 東京 2023)
「バルコニーの生活」(3LFTN apartment 東京 2023)
「ARTISTS’ FAIR KYOTO 2023」(京都 2023)
「ART SESSION by 銀座 蔦屋書店」(東京 2024)
「Rendez-vous fields」(同時代ギャラリー 京都 2024)
「ART OSAKA 2024」(大阪 2024)
「refugia-?」(同時代ギャラリー 京都 2025)
「What Was Here」(Gallery OPET 2025)
「KOBE ART MARCHÉ 2025」(兵庫 2025)

