—京都 × ジュネーブ アーティスト・イン・レジデンス—

『COLLECTING TIME』について

同時代ギャラリーは、1996年以降に画家大山一行が設立。開廊以来、”同時代性(contemporary)”をキーワードに多様な美術ジャンルの展示を、ほぼ週替わりで開催。これまでに出展したアーティストは日本国内各地にとどまらず、フランスなど中欧の他、北欧、東欧、北米、中南米、豪、中国、韓国等々と多様かつグローバルである。

2012年、スイス人画家アリアン・モノ(Ariane Monod)が同時代ギャラリーでの個展を申し入れてきた。その個展の開催形式にて協議した結果、彼女が属するジュネーブのアーティスト非営利組織アソシアシオン・シュミネ・ノール(Association Cheminée Nord)と同時代ギャラリーが、隔年で相互にアーティストの滞在制作と展示を行うことを取決めた。

こうして本プロジェクトの第1回は、2013年夏、京都での「Ariane Monod 個展」からスタートした。彼女は2週間の展示期間中、ギャラリー壁面に木炭ドローイングを描き続け、その間、多くの日本人アーティストや一般観客と交流した。
取決めにより、翌2014年は、ジュネーブで日本人アーティストが滞在制作することとなる。1〜2名のアーティストは同時代ギャラリーが公募により選考した。日本国内のみならず海外在住の日本人アーティストなど多様な応募者のなかから選ばれたのは、大和由佳(埼玉)、岡本高幸(大阪)の2名であった。

ジュネーブでの展覧会は、「コレクティング・タイム(COLLECTING TIME)」と名付けられた。ポスターなどを制作するため大和と岡本のポートフォリオを参照した際に、ジュネーブのメンバーが大和の資料からインスパイアされて名付けたものである。
2014年は、日本スイス国交樹立150周年にあたり、在スイス日本大使館が様々な記念イベントを行った。「COLLECTING TIME」もそのひとつに位置づけられ、展覧会オープニングは、音楽、舞踏、映像など多彩で盛大なパーティとなり大勢の参加者でにぎわった。

二人が滞在制作したスタジオは、もとは鋳鉄工場であったユージン・クグラー(Usine Kugler)という工場跡にある。小学校程度の大きさと言えばいいだろうか。ジュネーブ中央駅から南西へ2kmほど、徒歩25分、車なら10分もかからない。レマン湖から流れ出すローヌ川とアルプスから下ってきたアルブ川が出会う三角州のような場所にあり、スタジオは豊かな水面と緑に面して美しく、工場跡とは思えない。その建物を様々なジャンルのアーティストたちが自らスタジオやホール、ギャラリーに改造、自主組織で運営。傘下の美術家たちの組織が Association Cheminée Nord であり、彼らが運営するギャラリーのひとつがエスパース・シュミネ・ノール(Espace Cheminée Nord)である。名前のとおり工場の北側中央部に煙突がそびえている。

大和、岡本はジュネーブ滞在中、スタジオの中ではなく、街中に出て地域の人々と関わる中で作品を制作した。そうしなければできない作品を意図したのだ。この結果は、専門家による評価だけでなく、展覧会を訪れた一般観客からも好評を得るもので、交流を主目的とする本プロジェクトにふさわしいものだった。
「COLLECTING TIME」の名は翌2015年春の京都展に引き継がれ、さらに本プロジェクト4回目となる2016年初夏のジュネーブ展にも引き継がれる。交流を主目的とする本プロジェクトを象徴するにふさわしいネーミングとなったと言えよう。

大和、岡本の「COLLECTING TIME」にご協力いただいた多数のジュネーブ市民、また惜しみなくご支援いただいたUsine Kugler関係者にあらためて感謝したい。そしてこれからも様々なひとびとの協力共同をあおぎながら、可能な限りこのプロジェクトで交流を深めていければと願う。

同時代ギャラリー

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